(記事にはアフィリエイト広告のリンクが含まれている場合があります)
この記事では、カメラの焦点距離と画角について基本的なことを解説しています。
カメラのレンズのスペックで大切な仕様として「焦点距離」があります。
レンズの型番などを見ると「Canon RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM」というような感じになっていると思いますが、この中の「15-30mm」の部分がこのレンズの焦点距離で、このレンズは焦点距離15mmから30mmのズームレンズであるということを表しています。
最初に結論的なことを申し上げると、焦点距離と写真の関係を一言で説明すると
焦点距離の数値の大きなレンズは、より遠くのものを大きく撮影することができる。逆に焦点距離の数値が小さなレンズは広い範囲を撮影することができる。
ということです。
では、ここからもう少し詳しく焦点距離についてご説明いたします。
焦点距離について
皆さん、小学校の頃に虫眼鏡で光を集めて紙を焦がすような実験をした憶えがありますよね?
レンズを通った光が一点に集約する点のことを焦点と言い、レンズの中心から焦点までの距離を焦点距離と言います。
しかし、カメラのレンズは複数の凹レンズや凸レンズなどで構成されています。
この場合、レンズの中心とはどこになるのでしょうか?
複数のレンズで構成されるレンズの場合では、物体(被写体)から平行に入射する光線を延長した線と、焦点に集光する光線を延長した線との交点から垂直に光軸に下した位置がこのレンズの工学的中心としてこの点のことを「主点」と言います。
そして、この主点から焦点までの距離を焦点距離と言います。
そして、
- 焦点距離:f
- レンズの主点から被写体までの距離:a
- レンズの主点から影像素子までの距離:b
としたとき、おおよそ以下の関係式が成り立ちます。
1/a + 1/b = 1/f
時々、焦点距離の説明として
焦点距離とは、主点から影像素子までの距離のことである
というような記述を目にしますが、これは、被写体までの距離が無限遠に離れている場合には 1/a は限りなくゼロに近づくため
1/b(レンズの主点から影像素子までの距離) = 1/f(焦点距離)
となることため、話をわかりやすくするために説明しているためと思われます。
焦点距離と画角について
レンズの焦点距離が決まると、レンズの画角が決まります。
「画角」とは、レンズの中心(主点)で交差して、影像素子と被写体を結んだ交線の角度のことを言います。
焦点距離が短くなれば、画角は大きくなり、より広い範囲を撮影することができます。
逆に焦点距離が長くなれば、画角は小さくなり、遠くの被写体をより大きく撮影することができます。
影像素子のサイズと画角の関係
現在発売されているレンズ交換ができるデジタルカメラの中には、影像素子のサイズが主に
- フルサイズセンサー
- APS-Cセンサー
- マイクロフォーサーズセンサー
の3種類があります。
影像素子のサイズなどに関する説明は、以下の記事で詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。
同じ焦点距離でも、影像素子のサイズが異なると画角も異なります。
焦点距離が同じ場合、影像素子のサイズが小さなカメラの方が画角が小さくなります。
そうすると、フルサイズセンサーを使っている人とAPS-Cセンサーを使っている人が焦点距離について会話した時に支障をきたすことがあります。
そのため、焦点距離をフルサイズセンサーの画角に合わせて変換した数値をで表すことがあります。これを「フルサイズ換算」と言います。
フルサイズ換算するには、概ねAPS-Cの人は1.5または1.6倍(メーカーにより多少異なる)、マイクロフォーサーズの人は2倍した数値が同じ画角でのフルサイズセンサーの焦点距離となります。
以上となりますが、焦点距離と画角の関係についてご理解いただけましたでしょうか?
光学に関する話しとなるため、理解するのが難しい部分もあると思いますが、出来るだけわかりやすく説明したつもりです。少しでも、皆さんの理解のお役に立てれば幸いです。